使用器具類紹介
弱視児(者)が使用する、いわゆるルーペや単眼鏡など、視対象を拡大して見る光学的器具(レンズやプリズムを使ったもの)の総称を弱視レンズといいます。
近く(手元)を見るための「近用弱視レンズ(ルーペ類)」と、遠くを見るための「遠用弱視レンズ(望遠鏡類)」に大別されます。
本校では、実際に手にとって確かめることができるように、いろいろな種類のルーペや単眼鏡などをそろえて紹介できるよう努めています。
教科書や新聞等近くの物を見るときに使います。倍率は最大20倍程度まで様々な物があります。レンズ部分がスライド式になってポケットに収まる大きさのものなど、用途によっていろいろな大きさや形、倍率のものがあります。
近用弱視レンズ(ルーペ)
ポケットに入る大きさではありませんが、しっかりと持つことができます。これも、いろいろな大きさや形のものがあります
近用弱視レンズ(虫眼鏡タイプ)
双眼鏡の片方だけの物です。遠くの物を見るときに使います。最大10倍までの物があります。通常の双眼鏡や望遠鏡(単眼鏡)と異なり、約30cmからピントが合う構造になっており、至近距離から見ることができます。
遠用弱視レンズ(単眼鏡)
教科書などをテレビに拡大して映します。
モニターアームが書面台の奥にあるタイプの拡大読書器
モニターアームが側面にある拡大読書器
遠近両用タイプの拡大読書器
タブレット型端末は、いろいろなアプリを活用することで、学習活動を支援することができます。視覚障がい者の方も様々な場面で活用しています。
本校で使用するタブレット端末
タブレット端末のアクセシビリティ機能を活用して、幼児児童生徒一人一人の障がいの状態に>合わせて活用しています。
弱視の児童生徒は目盛りの数字が大きい物を用意します。白黒反転した、物さしもあります。盲の児童生徒には、目盛りが浮き上がった物や凸印のある物さしを使います。
目盛りの数字が大きく読みやすいものです。また、0°のラインで切れているので、線に合わせやすくなっています。
視覚障がい児・者に合わせて凹凸をつけたりや配色を工夫した文具類
弱視の児童生徒が教科書を読んだり、ノートを書いたりするときに使います。弱視の児童生徒の中には見る物に目を近づけて見る場合があります。
書写台を使うことで、姿勢もよくなり、手元が明るく見やすく書きやすくなります。
大きさや材質が異なる書写台
視力を測定する場合、一般的には「ランドルト環」という視力測定用の視標を使いますが、その他、次のような道具もあります。
図形が描かれた指標
単独指標
評価する内容や相談者の様子に合わせて道具を選定していきます。
ウサギやクマのカードで、近距離視力を測定します。ウサギやクマの目(ドット)が視標となっていて、見えた目(ドット)の大きさで視力が分かります。ランドルト環で視力検査ができない幼児でも視力測定ができます。
カードの片側に縞が印刷されており、人間の目が刺激(縞)のある方に向く特性を利用した視力検査です。乳幼児や重複障がい児の視力測定ができます。
視力測定の道具ではありませんが、様々な視力、視野、羞明等の疑似体験ができるレンズセットです。ゴーグルに視力や視野をシミュレーションしたレンズなどをセットして、視覚障がい者の見え方の理解や体験等ができます。
3Dプリンターは、立体的に造形物を作ることができる機器です。日ごろは手にとって触ることができないものも、造形物として作成することが可能であるため、視覚障がいを持った方へも造形物を触れることを通じて新しい発見や学習の幅が広がることが期待されます。